色彩を活かして美味しそうな食事を用意する

食事を美味しく楽しむために

食事を美味しく楽しむために

視覚的にも楽しい食事を

食事を美味しく楽しむためには、味や栄養バランスだけではなく見た目も重要です。色彩や盛り付け、容器にもこだわって食欲増進を図る必要があります。色とりどりの食材を使い、栄養バランスを考えて食事を用意しましょう。「旬の食材を積極的に使う」「イベントに合わせたメニューにする」といった工夫も、食事を楽しむためのポイントとなります。高齢者はこれまでの食習慣があるので、嗜好を尊重したメニューを用意しなければなりません。食欲が落ちている際には、本人の好みを優先した食事を用意するといいでしょう。
また、口内の状態によってはきざみ食やペースト状にする必要があります。食べやすい形状にはなりますが、見た目がよくないので食欲低下につながります。そのため、可能な限り色彩や形を整える必要があります。様々な食材を用意しても、一緒にミキサーにかけてしまうと同じような色になってしまいます。視覚的な楽しみを持たせるためには、例えば魚のムースは魚の形状をした型に入れて形を整えるなど、安全かつ見た目も楽しくなるような工夫が必要です。

食欲増進に効果的な色

食欲増進に効果的なのは、赤色やオレンジ色などの暖色系の色です。暖色系の色は空腹中枢を刺激する効果があります。鮮やかな色であればあるほど、食事を美味しいと感じるようになります。分かりやすい盛り付けの例を挙げると、「マグロの赤身」があります。単体でも十分美味しそうですが、一緒に添えられている紫蘇などの緑色が補色として視覚を刺激し、より一層赤色を際立たせることで食欲を増進させます。白色の食材を使う場合、それだけでは味気ない印象を与えてしまいます。その場合にも、赤色と緑色の組み合わせは効果を発揮します。モッツァレラチーズにトマトとバジルを組み合わせた「カプレーゼ」をイメージすると分かりやすいかもしれません。
逆に、食欲を抑える色もありますので、食欲低下に悩んでいる高齢者に食事を用意する際は、それらの色を避けるようにしてください。

食事をする際の環境にも配慮する

食事中の環境も大切です。部屋は適度な明るさを保ちながら、テレビなどの余計な情報は消すようにしましょう。食事をする部屋の壁やインテリアに暖色系を使って食欲を増進させる方法もあります。会話をしながら自分のペースで食事を楽しめるような環境を作ってください。食事は生きていく上で必要不可欠な行為です。毎日の食事が高齢者にとっての生きがいとなるように取り組んでいきましょう。
より細かく食事と色彩の関係について解説しているサイトを以下に紹介しますので、参考にしてください。

食欲が増幅する色と減退する色 食欲が増進する色、減退する色、食事を美味しく見せる工夫などがまとめられたサイトです。 日本メディカル心理セラピー協会Webサイト

資格や知識を活かせる職場へ

色彩が持つ力を介護へ

介護の現場で活かすことのできる色彩の知識を紹介するサイトです。色彩が持つ力を理解し、上手に活用していきましょう。当サイトへのお問い合わせは【Mail Form】からお願いいたします。